2025年度佐渡ゼミのご案内です。
佐渡ゼミとは、佐渡島内外の研究者による一般の方向けのセミナーです。生物学を中心とした多分野にわたる最新の研究をわかりやすくご覧いただけます。今年度は、佐渡演習林を調査地として研究を続けておられる他大学の先生方によるご発表となります。佐渡の自然やそれに関わる研究成果に興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
2025年度佐渡ゼミ(第3回)「混ざる森は、土をはぐくむ? ~いろいろな樹木がいる森~」
【開催日時】2026年1月28日(水)12:00~13:00
【開催形式】Zoom配信によるオンライン開催
【参加方法】※下記の問い合わせ先からお申し込みください
【参加費】無料
【発表者】谷川 東子 先生(名古屋大学大学院 生命農学研究科 植物土壌システム研究室 准教授)
【発表概要】 植物は、落ち葉や枯死した細い根(リター)を土に還すことで、土壌の性質を少しずつ変える力をもっています。私たちは、約20年前の調査記録が残るスギ・ヒノキ人工林を再調査し、樹木の成長とともに土壌中の養分、特にカルシウムが失われていく人工林が多く見られることを明らかにしてきました。その背景には、植物と土壌の相互作用が深く関わっていることも分かってきました。森林には、土をはぐくむ森林と、その力の弱い森林があるのかもしれません。過去を振り返ると、日本の森林はもともと複数の樹種が混ざった混交林が主流でした。そこで「混交林は、単一樹種林よりも養分を土にとどめる力が高いのではないか」という仮説を立てました。森林の物質循環は生産と分解が双璧を成すことから、後者であるリター分解過程に注目し、複数樹種の落ち葉や根を混ぜた分解実験を行いました。その結果、樹種を混ぜると混ぜないときより分解は進むにもかかわらず、養分の流出は抑えられることが分かりました。このゼミでは、人工林の土が「育ち続ける」ための条件として、樹種が混ざることの意味を考えます。
2025年度佐渡ゼミ(第4回)「文化財の年輪からわかること」
【開催日時】2026年2月25日(水)13:30~14:30
【発表者】星野 安治 先生(国立文化財機構 奈良文化財研究所)
【発表概要】 木の断面に見られる年輪が,1年に1層ずつ刻まれるものだということは比較的よく知られている。この年輪は,気候などの様々な影響を受けながら年ごとに変動しており,その変動には樹種や地域ごとに類似性が認められる。この年輪変動の類似性をクロスデーティングと呼ばれる手法を用いて照合することで,年輪年代学では1年という高い精度で誤差の無い年代測定が可能となる。また,異個体間より同一個体内の方が年輪変動の類似性が高いことによる同一木の推定や,地域ごとの年輪変動特性を解析することによる木材産地推定も可能となっていく。本講演では,歴史的建造物や出土遺物といった文化財として残る木材から,年輪年代学によりどのようなことを明らかにすることができるのか,事例を示しながら紹介したい。
【お問い合わせ】新潟大学 佐渡自然共生科学センター(担当:蕪木)Tel:0259-78-2613Mail:sadoken2011アットマークgmail.com(アットマークを@に置き換えてご使用ください)